The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers


ソサイエティを自分達の手で

編集理事 小川英光

 ソサイエティ制がいよいよ本格的に動き始めました.平成8年度のソサイエ ティ予算も決まり,ソサイエティならびにグループが独自に,いろいろなこと を考えていく基盤ができたのです.どのような組織に育てていくか,それはす べて,我々の手の中にあるのです.これだけ大きな組織を自分達の考えで方向 付けていく機会というものは,一生の中でそれほど何度もあるものではありま せん.起業家が味わえるあのロマンを,電子情報通信学会という巨大組織の中 で,我々も味わうことができるのです.素晴らしいことではありませんか.

 何事につけ,自分で考え,自分で決定できるということは幸せなことです. 本学会の会員ならば,自分で設計したシステムが初めて動き出したときの感動 を,忘れることはないでしょう.組織作りも同じことです.20 年近くかかっ て準備してきたソサイエティ制が,いよいよ動き始めたのです.

 各ソサイエティならびにグループは,和・英論文誌,ニューズレター,研究 会,ソサイエティ大会,国際問題等々,担当者を決めてさまざまな活動をして います.活気にあふれています.しかし,ここで大切なことは,それぞれの担 当業務に閉じ込もることなく,常に全体をみることです.企画の内容だけでな く,財政的な事柄まで含めて,常に全体をみることが必要です.それによって 初めて,ソサイエティならびにグループが,バランスのとれた活動をすること ができるのです.

 活力を持続させる方法の一つに,組織の公開があります.これは本部組織の 例ですが,会誌編集委員会およびニュース委員会の委員を,会誌の会告欄で公 募しましたところ,さっそく何人かの方から応募頂きました.嬉しいことです .このように,会員の新鮮な意見が常に反映されるシステムを作っておくこと は,重要なことです.それによって会員一人一人が,ソサイエティならびにグ ループを,自分達のものとして考えることができるのです.そうして初めて, ソサイエティならびにグループの行く末を,自分で考えようとする気持ちがわ いてくるのです.そうして初めて,諸先輩の長年にわたる努力に培われた電子 情報通信学会の伝統と文化の素晴らしさが認識でき,その上に立って,更に新 しい文化を築き上げることができるのです.

 ソサイエティ制を,私達一人一人の手で育てていこうではありませんか.


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