今日の情報革命は人類史上,4度目との説がある.1度目は5〜6000年前のメ ソポタミア文明時代の文字の発明,2度目は紀元前1300年ごろの書物の発明,3 度目は西暦1450〜1455年のグーテンベルグによる活版印刷の発明,そして4度 目は今日の情報通信革命である.情報革命はグローバリゼーションを伴ってい た.例えば3度目の印刷機の発明の際に起った様々な影響や変化について考え ると,印刷機によって,当初はラテン語だけであったが,ギリシャ語,ヘブラ イ語だけでなく英語をはじめヨーロッパ各地の日常言語の書物まで現われ広い 範囲に配付され,宗教革命を起し,教育制度にも大きな影響を与えたことは御 存知のとおりである.これは当時としては極めて大きなグローバリゼーション であったろう.「グローバリゼーション」の意味を,「世界が社会的に縮小する こと,及び一つの全体としての世界という意識が増大すること」と考えると,「 一定の基準を満たして国際社会の中に入れてもらいたいとか,自国(自組織) の他国(他組織)への影響力を高めたい」というような意味を持つ「インター ナショナリゼーション(国際化))との区別がはっきりする.情報通信革命に 起因するグローバリゼーションに対応するために,当然のことながら本会も 「国際化」を重要施策の一つにおいている.最近,本会も電子出版のトライア ルを始めた(本会ホームページのIEICE Online Journal参照).大いに期待し たい.