電子情報通信学会誌

Vol.86 No.6 pp.377-388
2003年6月

田中耕一 名誉員 (株)島津製作所

A Monumental Blunder. By Koichi TANAKA, Honorary Member (SHIMADZU CORPORATION, Kyoto-shi, 604-8511 Japan).
平成15年3月19日東北大学で行われた2003年電子情報通信学会総合大会における特別講演の要旨である.



A Monumental Blunder 田中 耕一


■1. は じ め に

 御紹介ありがとうございます.本日は,電子情報通信学会,電気学会の特別講演にお招き頂きまして,本当にありがとうございます.皆さん,御存じのとおり,私は東北大学工学部の電気工学科を卒業しました.恩師の安達先生からのお勧めもありまして,今回,この講演を行うことになったのですが,多少居心地が悪い気がします.というのも,大学で学んだことを捨てて就職後は質量分析という畑違いの分野に進んだ,裏切り者といいますか,と思われる可能性もあるわけです.とはいいつつも,その手法,技術の開発にはマクスウェルの方程式をはじめとします電気,電子,通信の技術が多数生かされております.本日の講演は,昨年のノーベル化学賞受賞記念講演の内容に沿ったものです.電気,電子,通信の知識,技術が分析化学の中でもいかに役立っているかということを時間の許す限り,発見の歴史を振り返りながら御紹介したいと思います.



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