■2. [ポスター セッション]のプログラムとその準備
[ポスター セッション]の〔開催者〕は,あらかじめそのプログラムを作り,《どのような発表を,だれが,どこで,何時行うか》を事前に発表しているので,これへの参加者は,通常,それを見て会場へ参集する.
しかし,中には,先の図2に示すように,言わば《飛び込み》で…《無目的で》会場に入ってくるものも少なくない.しかし,これらの〔風来坊的参加者〕は,またその会場へ他の参加者を引き付ける役もするので,会場の雰囲気を盛り上げる大きな要素となる.それゆえ《発表者の心構え》としては,あらゆる人を引きずり込む…いわゆる【大道芸人の心意気】が必要であることを,胆に銘じてほしいのである.
そのようなことを前提にして,以下[ポスター セッション]で準備する【必要な項目(表1)】と,その制作方法について詳しく説明していく.
表1 ポスター セッションの準備に必要なもの
(1) |
[発表内容]と[その説明シナリオ]の決定 |
(2) |
ポスターの用意 |
(3) |
配布用印刷資料の用意 |
(4) |
説明用資料の用意(参加者の特別要求に応じる) |
(5) |
実験装置の用意(会場の電源などの事前確認) |
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2.1 発表内容の選定
まず初めに,発表の〔目的・狙い〕を明瞭にし,成果を簡潔に示すことが大切である.
すなわち,その扱っている内容に関して〔世界の動向〕や〔ニーズ〕が《どのようであるか》,また【新製品の発表】の場合は,これまでの〔欠陥〕が《どのようであったか》…そして《それをどのように克服したのか》など[成果と結論]を明瞭に示すことに工夫を凝らす.
2.2 題目及び副題,キャッチ フレーズの決定
不特定多数の〔参加者〕の眼を捕えて,気を惹かせ,興味を持ってもらうためには,まず[題目]だけで〔その内容〕を《一目で分からせること》が重要である.
それには《記述が簡単明瞭であること》以外に,[副題]を付けたり,[キャッチ フレーズ]を設けて補うことも大切である.
何かの本で[キャッチ フレーズ]の日本語訳が《惹句》であると見たことがあるが,それが[一目で,参加者の心を惹きつけるフレーズ]であることは確かであるから,それに気を配ることは実に重要である.
次に[各項目]の[説明の順序]や,それに基づくポスターの[レイアウト]もまた大切で,どれを,どのような順序で,どのように配置すれば,より解かりやすく,訴える効果がより大きいかを,十分に練り上げて配置する方法を考える必要がある.
それには,上記の[各項目]を,各々小さな[カード]に描いたものを用意し,これらを机上に並べて,ポスターのレイアウトなどを決めていく方法を採るとよい.
それで,[我田引水]であるが,例として,これまでに筆者が作成したものを最後に【付録】に示した.
なお,[文字列]で大切なことは《一目で読ませる》ことが重要で,誤りやすい〔文字の区切り〕に[半角開ける]配慮が大切である.例えば…
ポスターセッション → ポスター セッション
マルチクリエイター → マルチ クリエイター
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