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高等教育機関におけるネットワーク運用ガイドライン
- 健全なネットワーク社会とリスク管理 -  三 島 健 稔
電子情報通信学会誌

Vol.86 No.9 pp.670-674
2003年9月

三島健稔 正員 埼玉大学工学部情報システム工学科
E-mail mishima@ics.saitama-u.ac.jp

The Details about Establishing the First Edition of Guidelines for the Management of a Computer Network System in Advanced Educational Institutions. By Taketoshi MISHIMA, Member (Faculty of Engineering, Saitama University, Saitama-shi, 338-8570 Japan).




1、はじめに

自ら明確に意識するか否かにかかわらず,我々は高度情報通信ネットワーク社会の真っただ中にある.これにより多くの利便を得ている半面,大きな危険の中にあるともいえる.

例えば,最近,幾つかの大学学長あてに日本音楽著作権協会から「ネットワーク上の音楽著作権侵害防止に関するご協力のお願い」という文書が送られたことが知られている.これは,当該大学のサーバを用いた著作権侵害行為がある事実を指摘し対応を要請したものであり,警告を発したものでもある.著作権侵害等の事件がいつでも起り得る背景にあって,いかに健全なネットワーク社会を育成し,またそれに参加すべきかはネットワークの普及した今日,避けて通ることのできない緊急の問題になっている.

最近,このような問題にいかに対応すべきか詳細に検討した報告「高等教育機関におけるネットワーク運用ガイドライン 第一版」(以後[1]と記す)が完成し,電子情報通信学会(羽島光俊会長),情報処理学会(鶴保征城会長),電気学会(種市 健会長)は,三会長(当時)連名で「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長」に活動報告と提言として提出した(図1).



図1 内閣官房にネットワーク運用ガイドラインを手渡す

本稿では[1]策定の経緯と概要を紹介し,いかにして健全なネットワーク社会に参加し,またそれを育成すべきか真剣に考える契機にして頂きたいのである.

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