■2. IPレベルのサービス連続技術

 モバイルIP(1)に代表される,IPレベルで解決するアプローチはアプリケーションに依存することなく,ノードの移動を実現する.しかしながらホームエージェント(用語),フォーリンエージェント(用語)等の固定ノードを設置し,それらの端末のOSにモバイルIPの機能を実装する必要がある.特にホームエージェントの設置は経路の三角問題を発生させ,その解決(2)にはIP層に更なる変更が必要であるとともに,完全な解決は難しい.そこで,エンドツーエンドで端末の移動を実現する方式が提案されている(3),(4).これは,エンド端末でIPアドレスを変更するため,すべての移動端末のOSに変更を加える必要があり,更に,既存のアプリケーションプログラムのソケットAPIをIPアドレスが変更可能なソケットAPIに書き換えるか接続先の端末のOSまで変更する必要が生じる.このようにエンドツーエンドで端末の移動を実現する技術は,技術導入によって影響の及ぶ範囲が大きくなる.しかしながら,IPアドレスの変更を根本的に解決する技術として,注目されている.

 一方,サービスの移動を実現するには次に説明するアプリケーションレベルのサービス連続技術が必要である.



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