ミウラ折りの数理と応用
Vol.102 No.4pp.300-304
発行日:2019/04/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:小特集 折り紙の科学
専門分野:
キーワード:
ミウラ折り, 展開構造, テッセレーション, エラスチカ,
本文:PDF(1.6MB)>>
あらまし:
ミウラ折り(Miura-ori)と呼ばれる凹多面体面は,その特異な幾何学的性質により,折り紙,タイル張り,無限多面体面,しわ,展開構造,アート等で語られている.この面の発見は,幾何学的手法による演えき的推理で予測され,次いで極めて薄い二次元弾性板の解を求める物理的手法による帰納的推理で実証されたものである.この面に相当する極めて細い一次元の弾性棒については,オイラーによって解かれ,その滑らかな曲線は,オイラーのエラスチカ(Elastica)として知られている.二次元の場合に,激しい凹凸の多面体面が現れることは,予想外であった.本稿では,ミウラ折りの発見の過程をたどる形で解説する.その上で,幾つかの典型的応用例を紹介する.