あらまし

全球降水観測計画と二周波降水レーダ

中村 健治 沖 理子 井口 俊夫 Arthur Y. Hou 

Vol.92 No.9pp.743-748

発行日:2009/09/01

Online ISSN:2188-2355

Print ISSN:0913-5693

種別:小特集 暮らしと地球環境を守るための衛星技術

専門分野:

キーワード:
降水全球降水観測計画熱帯降雨観測衛星(TRMM)降水レーダ

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あらまし:
全球降水観測計画(GPM)は全球の降水分布を時間分解能3時間で観測することを主要な目的とし,TRMMの直接の後継機となる主衛星とマイクロ波放射計を搭載した複数の衛星(constellation)からなるシステムとなっている.主衛星は我が国が開発中の二周波降水レーダ(DPR)と米国が開発中のマイクロ波放射計(GMI)を搭載し,DPRとGMIによる降水システムの同時観測から,液体降水,固体降水,共に降水強度の瞬時値推定精度向上を目指す.これを基にconstellation搭載のマイクロ波放射計による降水強度推定の検定・向上を行う.DPRは13/35(Ku/Ka)GHzの周波数を持ち,降水について二つの情報を得ることにより高精度の降水強度推定を行うと同時に高感度を達成する.Kuレーダは熱帯降雨観測衛星(TRMM)搭載の降雨レーダとほぼ同じ性能を持つ.Kaレーダは走査幅はKuレーダのほぼ半分の120kmと狭いが,Kuレーダと同じ観測ボリュームを持つモードと高感度モードの二つのモードを持つ.DPRはGMIとともにGPM全体の降水観測精度を決定する.これによりGPMは降水システムの気候学の進展に寄与するとともに,短期予報,河川管理など実利用へも大きく寄与することが期待されている.

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