音楽音響信号解析のためのスパース学習
Vol.99 No.5pp.456-460
発行日:2016/05/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:特集 スパースモデリングの発展──原理から応用まで──
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あらまし:
本稿では,統計的音響信号処理に興味を持つ研究者向けに,モノラル音響信号の音源分離のための非負値行列分解(NMF)について解説する.従来,音源信号のパワースペクトルの加法性が仮定できる場合には,板倉・斎藤ダイバージェンスをコスト関数に持つNMF(IS-NMF)が適切であり,複素ガウス分布をゆう度関数に持つ確率モデルとしての解釈が可能であることが知られていた.最近,音源信号の振幅スペクトルの加法性を仮定できる場合には,複素コーシー分布をゆう度関数に持つNMF(Cauchy NMF)が適切であることが発見されている.本稿ではこれらに加えて,両者を特殊形に含む複素スチューデントt分布に基づくNMFを紹介する.