The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers


学会と国際標準化活動

規格調査会委員長 高木幹雄

 柳井久義先生の後を受けて,規格調査会のお世話をすることとなった.本学 会に規格調査会があり,そこでどのような活動が行われているかを,御存知の 会員は余り多くないかと思われるので,御紹介したい.

 工業標準の国際的な標準化活動は,国際電気標準会議(IEC)および国際標 準化機構(ISO)によって行われているが,その中間領域を扱うために設立さ れたIECとISOとの合同委員会 JTCIの活動が非常に活発に行われている.

 規格調査会は,日本工業標準調査会(JISC)の委託を受けて,IECの原案作 成および審議を行う国内の審議団体(IECの各TCに対応する国内委員会)であ る九つの専門委員会(電子部品データライブラリー(SC 3 D),無線通信(TC 12),回路部品(TC 40),通信用伝送線(TC 46),半導体(TC 47),周波数制 御・選択デバイス(TC 49),信頼性(TC 56),光ファイバ(TC 86),デザイン オートメーション(TC 93)と電子通信用語および記号を扱う二つの特別専門委 員会で構成されている.

 規格調査会の活動について平成4年度に将来計画アドホック委員会が報告書 を出し,事業企画委員会の設立を提案し,筆者が委員長を勤めることとなった .学会で扱うべき対象としては,先端的な技術で対応する工業会のないもの, 複数の工業会にまたがるものを重視する.

 その結果,TC 51 に対応する磁性部品およびフェライト専門委員会と TC 47 C を工業会に移管した。その後,デザインオートメーション(TC 93)は,対 象が全般にわたっているので,当初のプリント回路工業会に代って引き受け, 部品データライブラリー(SC 3 D)も電子化,デザインオートメーションとの 関係から電子機械工業会から本学会が引き受けることとなった.一方,IEC が SC 12 A(受像機),TC 60(記録),TC 84(AV 機器およびシステム)を 再編成して,TC 100(オーディオ・ビデオ・マルチメディア機器およびシステ ム)を新設したのに伴って,その審議団体が電子機械工業会になったため SC 12 A が本学会から離れた.同様なことが,SC 12 G(共同受信システム)が SC 100 D になったので生ずることになろう.

 情報処理学会や電気学会に比べ,本学会の扱う TC の数は少なく,国際標準 化活動の規模も小さいが,本学会でなければ審議できない TC を預かっている ので,積極的に貢献したいと考える.また,事業企画委員会では,新しい標準 化の芽を探しており,調査研究をして,新しい提案をしたいとも考えている. 本委員会の活動を,近く学会のホームページに準備する予定であり,会員各位 の積極的な御意見を伺いたいとお願いする次第である. =====End=====


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