(1) ネットワークの構成が変ると,それをトリガとしてMPLSルータ同士がIP層のルーチングプロトコル(OSPF等)を用いて経路情報をやりとりし,IP層の経路表を更新する.例えば図5において,ある時点でネットワークA3はMPLSネットワークのエッジルータR4と接続しており,R
3とは接続していないとする.このとき,A 3がR 3に新たに接続されたときには,この接続を反映してR 3のIP層の経路表を更新する.
(2) それに続いて各ルータはLDPにより,どのあて先ネットワーク(経路表のアドレスプレフィックス)にどのラベルが対応するかという情報(ラベル写像)を通知し合う(図5).例えば,図5において新たに設定されたR
3とA 3の接続を反映して,ルータR 3からルータR 2へマッピングメッセージ1を送り,これを受けて,R 2はルータR1へマッピングメッセージ2を送ることになる.図5のマッピングメッセージが示すように,MPLSアーキテクチャにおいては,あるラベルスイッチルータR1からもう一つのラベルスイッチルータR
2へ向かうリンクで,あるあて先ネットワークにあてたパケットにどのラベルを付与するかはR 2(下流側)が決定し,R 1(上流側)に通知することになっている(6).
(3) 受信したラベル値を基に,ラベル表を更新する.この時点でラベルパスが(論理的に)張られることになる.例えば図5においては,A 1からR
1, R 2, R 3 を経由してA 3に至るラベルパスが設定される.
図5 ラベルパス設定の仕組み
GMPLSネットワークにおける光パスの設定も基本的には上記と同様の手順で実現することができる.図6に設定例を模式的に示す.ここでは,マッピングメッセージが下流側から上流側へ順番に送られるフェーズを表している.この前の段階としてネットワークの入り口にあるOXCが,与えられた制約を満たすような光パスをトポロジー情報やリンク状態情報などに基づいて計算し,そのパスに沿って上流側から光パス設定要求メッセージを送る必要がある(4).
図6 GMPLSにおける光パスの設定例
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