電子情報通信学会会誌  Vol.85 No.1 pp.24-39  2002年1月






〔総合司会・石原〕
 後半のパネル討論を始めさせて頂きます.

 本日のパネル討論は,〜自然科学と人文科学による共創〜というテーマです.オーガナイザーを宮内淑子さんにお願いしております.宮内さんは,ICC(インフォメーション・コミュニケーション・コラボレーション)をコンセプトに提言会やフォーラムを主宰したり,あるいはコラボレーション活動をやっておられまして,コミュニケーション・ビューローの代表をしておられます.よろしくお願い致します.


〔宮内〕
 皆様,こんにちわ.お手柔らかによろしくお願い致します.

 先ほどお話を頂きました石井先生に初めてお会いしたのはザウルスができたころですが,第一印象は「新しもの好きな方」でした.1年ちょっと前に新聞の対談でお会いしたときには,背広の下に皮のベルトが斜めに掛かって,そこにポケットがついていてザウルスとか携帯電話とかいろいろ差し込んでいるのです.「これ,ウェアラブルだよ」って.新しいものをお好きな方が新しい文化をどんどん先導されていくのかなと思いました.

 今後は身につける以外にもっと小型化,微細化していく一方で空間全体が情報環境となり,サポートしてくれるといったIT環境ができるのではと思います.カラクリ人形はテクノロジーが隠されていてかわいらしくいろいろなことをして見せてくれる.そういうふうに,むき出しではなくて見えないIT環境を,自然科学,人文科学といったいろいろな壁を越えて実現することが重要になると思います.脳の中でどういうイメージを描いていけば,実際に健全なIT社会が築けるのかということを,御専門の先生方,パネリストの先生方とお話を進めていきたいと思っております.

 それでは御紹介したいと思います.

 私のお隣りは,国際大学GLOCOMセンター所長の公文俊平先生です.公文先生は「社会システム論」,「情報文明論」,「日本社会論」と多くの専門分野をお持ちで,何を聞いてもきちんと答えて下さる不思議な先生という印象です.よろしくお願い致します.

 そのお隣りは,日本経済新聞社論説委員,編集委員でもいらっしゃる関口和一先生です.関口先生は,サイバースペース革命の企画担当キャップ,あるいは情報分野などを御担当されたり,アメリカにも行っていらっしゃいました.

 次は,中央大学教授の辻井重男先生です.辻井先生は,暗号,そして情報セキュリティが御専門で,これから情報化が進む中で大変重要で欠くことができない分野をずいぶん早くからお始めになられたのだなとびっくりしております.

 そのお隣りは,東京大学教授の原島博先生です.原島先生は「日本顔学会」を立ち上げられるなど,工学系の先生でありながら非常に人間味の強い先生です.最近では東京大学内部の壁を取り除いて,文理融合の情報学環という大学の組織を作られるのに大変御尽力されました.

 最後は,ジャーナリストで千葉商科大学助教授の宮崎緑先生です.宮崎先生は,皆さんよく御存じのようにキャスターとして大変活躍なさいました.大学の先生,ジャーナリスト,そして女性,広い視野からのお話を本日は楽しみにしております.

 それでは,これから皆様にお話を頂きます.まず,宮崎先生からお願いします.

 




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