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【総説】デザインからデザイン思考へ――技術,商業,文化の共進化――

Barry M. KATZ 石田 亨 

Vol.100 No.7pp.610-614

発行日:2017/07/01

Online ISSN:2188-2355

Print ISSN:0913-5693

種別:小特集 デザインイノベーション――専門や業種を超えた課題解決に向けて――

専門分野:

キーワード:
デザインデザイン思考イノベーションデザインスクール

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あらまし:
近年,「デザイン思考」と呼ばれる概念が,ビジネス界,学界,更に政府機関,財団,職能団体の関心を集めている.消費者のための製品開発を行っていなかった業界でさえ,デザイナーが何をし,どのように考えるかに興味を持ち始めている.そこで本稿では,デザイン思考の魅力を調査し,歴史的な経緯と基礎的な考え方について述べるとともに,デザインの専門内外で関連して生じている事項を解説する.
 デザイン思考が広汎に適用されたのは比較的新しく1990年代から広まり始めたが,その起源は更に古い.そこで,まずデザイン思考の起源を明らかにし,次に,工学,企業,金融,教育等の多様な分野におけるデザイン方法論の適用を含め,デザイン思考への関心が急激に上昇した軌跡をたどる.
 デザイン思考を単純な線形プロセスとしてみなすことが一般的になりつつある.初学者に「観察(observe),生成(synthesize),プロトタイプ(prototype)」と説明するウィキペディアのページさえある.しかし,現実は,はるかに多様であるので,デザイン思考は「方法論(methodology)」というより「思想(philosophy)」と捉えた方がよいだろう.

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