汎用ビデオカメラを用いた可視光通信――仮想正弦波による高効率な可視光通信――
Vol.101 No.1pp.44-51
発行日:2018/01/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:小特集 可視光通信の最新動向
専門分野:
キーワード:
可視光通信, ディジタル信号処理, モバイル端末, スマートフォン,
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あらまし:
スマートフォンのような可搬端末と高速変調可能なLED照明は社会で広く使われており,両者を組み合わせた可視光通信は魅力的な応用形態である.しかしスマートフォンのビデオカメラは通信用に設計されたものでないため,主に毎秒の撮影コマ数(フレームレート)の不足により,実現できる通信速度に大きな制約のあるのが現状である.通信においてビデオカメラは通信用光源の明るさをコマ撮りしているのだが,カメラは瞬間の明るさをとらえるのではなく,一コマの撮影時間での光源の明るさを積分し,その平均的明るさを取得している.この動作をインテグラルサンプラとしてモデル化すると,ビデオカメラ特有のディジタル信号処理形式を導くことができる.特にカメラの数フレームで一つの情報シンボルを伝達するように通信を設計すると,カメラのフレームレートの整数分の1を基本周波数とする仮想正弦波の概念を得られ,可視光通信を,仮想正弦波を搬送波のように扱うディジタル変調通信として再設計できる.これはビデオカメラによる可視光通信で達成された通信速度を大幅に改善する可能性を持つほか,各種の可視光通信にも使用できる汎用的なモデル化技法である.