Webプロトコルの標準化動向
Vol.101 No.6pp.579-585
発行日:2018/06/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:解説
専門分野:
キーワード:
Web, HTTP, HTTP/2, TLS, QUIC,
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あらまし:
エドワード・スノーデンが明らかにした国家レベルの広範囲な盗聴行為は,それまでのIETFの標準化の在り方を一変させた.新しく標準化されるプロトコルは,全て暗号化対応が必須となり,サービス提供者は,全面的に暗号化通信を行うことが求められるようになった.一方で,モバイル環境や動画像の普及に伴い,ネットワークに求められる要件も大きく変わってきた.モバイル端末のWi-Fiと携帯回線の切換は,再接続に伴うネットワークレイテンシの影響を大きく受けるようになった.ネットワークふくそうによるパケット紛失の増加は,動画像通信で必要とされるスループットを大きく低下させる要因でもある.従来の通信仕様では,このように変化してきたネットワーク環境を最適化することは難しく,これらの課題を解決すべく,安全で高速なTLS1.3とQUICの標準化が現在進んでいる.
本稿では,これまでの歴史的な経緯を含めてWebプロトコルの標準化動向について述べる.