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反強磁性体を用いた超高速スピントロニクスへの展開

森山 貴広 

Vol.105 No.12pp.1400-1406

発行日:2022/12/01

Online ISSN:2188-2355

Print ISSN:0913-5693

種別:小特集 電子スピンの回路とシステムへの応用

専門分野:

キーワード:
スピントロニクステラヘルツ反強磁性体

Free本文:PDF(1.4MB)

あらまし:
反強磁性体は,原子スケールでミクロな磁化を有するが,隣り合う磁化が互いに打ち消し合うように整列しているため,全体として自発磁化を持たない.その性質から,強磁性体に比べて,磁化方向を制御・検出することが一般的に困難であると考えられてきた.しかしながら,最近の研究結果から,強磁性体と同様に,スピン流と反強磁性体の磁化との相互作用が存在することが示され,スピン流による反強磁性体の磁気モーメント方向の制御,磁気抵抗効果,THzに及ぶ磁化ダイナミクスの励起などの研究が活発に行われている.これらの研究の進展を踏まえて,反強磁性体が次世代スピントロニクスにおける新材料として認識されつつある.本稿では,反強磁性体における高速ダイナミクスとそのスピン相互作用についての最近の研究結果について紹介する.

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