非鉛系圧電セラミックスの研究開発動向と将来展望
Vol.93 No.2pp.125-132
発行日:2010/02/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:解説
専門分野:
キーワード:
圧電セラミックス, 非鉛圧電材料, 強誘電体, ペロブスカイト構造, 多系相境界(MPB), 脱分極温度,
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あらまし:
欧州のRoHS 指令(有害物質使用禁止令)では,環境保全から電子部品の特定有害物質Pb, Cd, Hg, Cr6+などを排除する動きが活発である.エレクトロニクス・メカトロニクス分野で重要な役割を果たす圧電デバイスの構成材料である圧電セラミックスはPb 系ペロブスカイト型(PZT 系)で,主成分として多量の酸化鉛(PbO)を含んでいる.圧電セラミックスの酸化鉛使用は代替品がないために現在はRoHS 指令から除外されているが,将来的には例外対象では済まなくなってきているため,非鉛系圧電セラミックスの研究開発が急速に世界的な関心を集めている.特に,日本,中国,韓国を中心としたアジア,及びヨーロッパで研究開発が活発である.ここでは,現在の非鉛系圧電セラミックスの研究開発動向並びに将来展望について解説する.