知的環境を支える「情報」とリアルセンサネットワーク――新しい概念としての「情報」と「情報薬」――
辰巳 治之 溝口 照悟 新見 隆彦 太田 秀造 二宮 孝文 市川 量一 菊池 真
Vol.97 No.8pp.695-701
発行日:2014/08/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:小特集 知的環境を支えるセンサネットワーク──アンビエントセンサネットワーク──
専門分野:
キーワード:
戦略的防衛医療構想, 情報薬, ユビキタスゼロクリックセンサネットワーク, 全力医療,
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あらまし:
46億年ものノウハウを蓄えている生命の基本単位である細胞や人体の研究から,知的環境を支えるリアルセンサネットワークとして,ユビキタスゼロクリックセンサネットワーク(Ubiquitous Zero-Click Sensor Network)を提案し実証実験を行ってきた.そこから情報が薬として作用していることを見いだし,「情報薬」(Info-Medicine)という新しい概念を作り出した.また,細胞生物学・情報社会科学的観点から「情報」を定義することにより,「情報薬」の可能性が更に広がった.身体はすばらしいリアルセンサネットワークそのもので,あらゆるTo-Brain Type(型)情報薬を得て生命活動に活用している.多くの情報薬の中から取捨選択し,あるものはIn-Brain Type(型)情報薬として作用している.これらはIn-Social Type(型)情報薬の影響を受け,更に意識と無意識によりTo-Cellular Type(型),そしてIn-Cellular Type(型)情報薬が産生され,健康を保っている.特に意識に上らない自動コントロールの破綻,あるいは,意識されても適切な対策がなされないことが病気につながる.そこで,ユビキタスゼロクリックセンサネットワークにより察知し,それを事前に防ごうとするのが,戦略的防衛医療構想(SDMCI:Strategic Defensive Medical Care Initiative)で,その強力な武器は「情報薬」である.