スマートエネルギーマネージメント――エネルギーの情報化によるスマートコミュニティの実現――

加藤　丈和

あらまし

加藤　丈和

Vol.97 No.8pp.712-716

発行日:2014/08/01

Online ISSN:2188-2355

Print ISSN:0913-5693

種別:小特集　知的環境を支えるセンサネットワーク──アンビエントセンサネットワーク──

専門分野:

キーワード:
スマートグリッド, スマートコミュニティ, エネルギーの情報化, スマートエネルギーマネージメント,

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あらまし:
近年ICT技術を応用した電力網の管理としてスマートグリッドの実証が盛んに行われている．スマートグリッドは，需要家に取り付けたスマートメータによって需要家ごとの電力消費をリアルタイムにアグリゲータに集約し，アグリゲータが需給バランスに応じて節電要請（デマンドレスポンス）や，時間帯別電力価格（ダイナミックプライシング）によって，需要家に電力使用量の調整を促す仕組みである．また，需要家にはHEMS，BEMS，FEMSなどのシステムの導入も進められている．これらのシステムは需要家の電力消費をモニタリング，見える化し，デマンドレスポンスや電力価格の情報を受け取ってユーザに提示したりあらかじめ決められた優先順位に従って電気機器の制御を行うシステムである．これらの仕組みは，スマートメータによるセンシング，アグリゲータによる集約，フィードバック，HEMS，BEMS，FEMSによる制御から成るセンサネットワークの応用と言える．また，より発展したスマートエネルギーマネージメントの基盤技術として「エネルギーの情報化」の取組みを行っている．スマートグリッドでは集中型，トップダウン型で集約，フィードバック，制御を行っているのに対し，エネルギーの情報化では需要家サイドのマネージメント技術を中心にボトムアップ型の電力管理技術を目指している．スマートホーム，スマートオフィス，スマートファクトリなどの需要家が，それぞれの価値観や行動パターンに基づいて自律的な電力管理を実施しながら，ほかの需要家と連携して共同体（スマートコミュニティ）を構成する．

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