■3. アンテナの広帯域化・多周波化 |
■4. 人体影響の軽減対策 4.1 送信ダイバーシチ 携帯電話の通話状態では人体による電磁的影響のためアンテナの特性が劣化する.この人体効果はこれまで人体頭部や手とアンテナの電磁的相互影響を中心にメカニズムの解明が進められてきた(7)〜(10).一方,端末の小型・薄型化に伴って人体の影響は増々深刻になりつつあり,最近では外部アンテナに指を添えるといったワーストケースにおける送信アンテナ利得の向上が課題となっている. その対策の一つとして,送信時に人体により利得劣化したブランチ(外部アンテナ)からもう一つのブランチ(内蔵アンテナ)に強制的に切り換える方法が考えられる.従来,端末用ダイバーシチにおける内蔵アンテナは受信専用であったが,それを送信にも使おうというものである.しかし,人体による特性劣化を知るための何らかの検出手段が必要で困難を伴う.検出手段が不要な他の対策方法として,PDC方式で既に行われている受信側のブランチ判定規範に基づく送信ダイバーシチにより,平均的なアンテナ利得を向上させることが考えられる(図6)(11).端末側の送信ダイバーシチは,本来フェージングによる基地側受信信号の落ち込みを克服する技術であるが,PDC方式のように送信と受信の周波数が離れている場合には周波数相関が低いため,信号の瞬時値変動に対するダイバーシチ効果は期待できない.しかし,人体による送信アンテナの動作利得低減に対しては大きな改善効果が見込める. 図6 人体影響軽減のための送信ダイバーシチの原理 |
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