3.2 説明の際の話し方では[明りょう度]に注意

 上記の[視聴覚情報]の中で,特に[聴覚情報]では〔説明者〕の[話し言葉]の《明りょう度》が重要である.〔説明者〕は《落ち着いてゆっくり話すように心掛ける》ことが大切である.ともすれば〔上がってしまう〕ゆえか,《話し方が早口となって》,その結果《内容が不明りょうになりがち》なので注意したい.

 特に重要なのは[言葉尻の部分]で,説明の最後の『……であります。』が《消え入るように小さくなってしまう》人が多く見かけるので,気を付けたい.この最後の部分は《特にゆっくりと,声を張り上げて話す》ようにすべきである.

 3.3 説明者の〔受け手〕に対する態度

 〔説明者〕は,常に〔受け手〕に対して気を配って【アイ コンタクト】を取る必要がある.すなわち,天井や横を向いて話すのはもってのほかで,とにかく〔受け手〕の眼を見ながら,自分の研究成果や新製品の内容を《相手に説得する》ように努めるべきである.

 例えば,上記の《[指示棒の先端]を見つめること》のほかに,次のような態度を取る:

(1) 目と目を合わせて,うなずいてみせ『私は貴方に今,話しているのですよ!』のような態度を示す.
(2) 『そうじゃないですか,そうですよね!』と促す.
(3) 『貴方が,今,思っておられることは,もっともですよ』とうなずく…などをする.
 この動作は,実際に上記のようにするよりは〔送り手〕が《そのような気分になること》がより大切である.


■4. 結論:[ポスター セッション]の大きな効果


 以上述べた技法によって[ポスター セッション]による【貴方の研究成果や新製品】の《売込み》は大成功裏に上首尾を迎えるであろう.

 最後に,あくまでも大切なのは〔送り手〕の〔受け手〕に対する【気配り】(表3)であることを強調して結びとする.

表3 情報の〔送り手〕の各種の【気配り】
◎用意 説明の手順(シナリオの展開方法は)適切か
ポスターのパターンの構成や色彩は興味を引くか
パターンは見やすく,読みやすいか
パターンは一見して内容がつかみ取れるか
◎準備 リハーサルを十分に行ったか
会場までの所要時間を調べたか(30分前に会場到着)
忘れものはないか(原稿,資料,プログラム,指示棒,参加章,会場の地図など)
◎使用機器の取扱い方法を調べておく
ポスター,OHP,スライドの調子は良いか


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