ムーアの法則の限界が見えた今,デバイス研究はどこに向かうのか――コンピュータアーキテクチャの視点から――
Vol.102 No.10pp.957-962
発行日:2019/10/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:解説
専門分野:
キーワード:
コンピュータシステム, 微細化限界, 新奇デバイス, コデザイン,
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あらまし:
コンピュータシステムの発展を支えてきたMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)の微細化がついに終えんを迎えつつある.これは,着実に発展を遂げてきたコンピュータシステムの性能向上が停滞することを意味する.その一方,ニーズ面ではビッグデータやAI処理に代表されるように高度かつ複雑なアプリケーションが爆発的に普及しており,持続可能な高度情報化社会を実現するには更なる情報処理能力が求められる.したがって,このようなニーズ/シーズ間ギャップを解消すべく,微細化に頼らない新たなコンピュータシステム構成法の確立が今まさに世界で求められている.そのためには,トランジスタ数の増加という量的変化ではなく,新奇デバイスを用いた質的変化が求められる.本稿では,このような質的転換を目指したコンピュータアーキテクチャの観点から今後のデバイス研究の方向性を探る.