音声の知見の情報福祉への応用
Vol.91 No.12pp.1036-1041
発行日:2008/12/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:小特集 バリアフリー社会に向けた音声情報処理
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あらまし:
聴覚障害者に対する技術的支援の状況をみると,まだ十分とはいえない.音声研究で得られた知見を応用することにより,情報福祉技術の研究が効率的に進み,充実した支援の実現が期待される.本稿では,主に聴覚障害者が使用する手話と,視覚と聴覚の両方に障害がある盲ろう者が使用する指点字を取り上げる.まず,手話と音声の認知の仕組みに対する神経生理学的アプローチによる研究例を紹介する.続いて,音声の評価技術を手引きとして,テレビ電話を利用した手話通話を実現するために必要な手話映像品質の評価方法と,テレビ電話では不可避な映像遅延の影響について述べる.また,指点字にも,音声と同様に,速度や間,強弱などの情報(プロソディ)があることを示す.