■ 4. 将 来 展 望

 米国においては,既に1990年代に医学・工学・分子生物学連携による大学及び大学院教育が開始されている.これらの動きは21世紀の最重要産業として“ヘルスケアインダストリー”を認定し,それらの担い手を大量に育成することをねらったもので,人材育成の面からも我が国は大きな遅れをとった.遺伝子工学や組織工学を基盤とする21世紀の医療技術はまた,全く別個の技術として独自に出現するものではない.これらが過去40年間の医用生体工学の研究成果のもとに初めて現実化されることを強く認識し,我が国においては医療技術とネットワーク技術,システム化技術,マイクロマシン技術,バイオテクノロジーなどを融合化した新たな医学・工学連携研究による独自の挑戦を開始すべきと考える.更に高齢化社会への対応として,リハ医学とリハ工学の連携が真に社会に根付き,高齢に伴う機能低下に対する総合的支援技術が供給されることが望まれる.













菊地 眞(正員)

昭44慶大・工・電気卒.昭49同大学院博士課程了.
昭47東京女子医科大助手.昭51同講師,
昭55より防衛医科大学校医用電子工学講座教授.
工博.医用工学,福祉工学の研究に従事.
昭60年度IEE・Kelvin論文賞,
平成10年度日本医科器械学会論文賞,
平成11年度通産大臣賞各受賞.








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