■5. 結     語


 大量の遺伝情報を一網打尽に解析するDNAチップ技術は予防医療の進展におけるキーであり,今後,研究機関のみならず,医療現場への導入も図られるものと予想される.このようななか,次世代型DNAチップに求められるのは,診断操作の簡便さ,高い検出能,そして低価格である.現在,本稿で紹介した以外にも,“迅速・簡便かつ高精度,高い定量性”をうたい文句とした次世代型DNAチップの開発が進んでいるが,低価格化については未だ検討すべき余地が多く残っている.筆者らが開発したDNA検出技術では,チップ基板の微細加工が不要である,基板上へのプローブDNA固定化が容易である,検出機器がシンプルである,など低価格化を達成するための幾つかの要因があり,実用化へ向けた開発研究を現在推進している.


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