電子情報通信学会誌 Vol.87 No.12 pp.1004-1009 2004年12月

丹羽正一郎 正員 アクセンチュア株式会社
 E-mail shoichiro.niwa@accenture.com
江尻正義 正員:フェロー 富士通株式会社IPネットワーク事業本部

Shoichiro NIWA, Member(Accenture Japan Ltd., Tokyo, 107-8672 Japan) and
Masayoshi EJIRI, Fellow (IP network Systems Group, Fujitsu Ltd., Kawasaki-shi, 211-8588 Japan).

情報通信サービス管理 丹羽正一郎 江尻正義

abstract  

 複雑化する情報通信サービスをカスタマの要求に合わせて安定して提供するためにサービス管理はその重要性を増している.本稿では,まず近年の情報通信サービスの動向を紹介し,サービス管理の概念と課題を整理する.次にサービス管理における構築,監視,課金という各プロセスの機能と現状の要求条件を解説するとともに,セキュリティ管理及びサービスレベル管理における検討の方向性を示す.
キーワード:情報通信サービス,サービス管理,SLA,セキュリティ,管理プロセス


■1. ま え が き

 ブロードバンドアンドモバイルの時代を迎えて情報通信サービスが多様な展開を見せている.カスタマが安心,満足してサービスを享受できるように運用する仕組みであるサービス管理もその重要性が高まっている.

 サービス管理とはカスタマのサービス要求に合わせて設備を割り付け,サービスを提供して料金の収受をするに至るまでの一連のプロセスの管理である.最新の情報通信サービスはカスタマ指向性の強さと変化のスピードの速さという点において従来とは異なる対応が要求されている.サービス管理においてもサービス開通までのスピード,カスタマごとのサービスレベルの捕そく,パーソナライズされた料金体系など様々な機能の実現が必要とされている.

 本稿では,まず情報通信サービスの近年の動向を紹介し,サービス管理の基本概念と課題を整理する.次にサービス管理を構成する三つのプロセスについて機能と現状の課題を解説する.最後にサービスに安全・安心を提供するセキュリティ管理と,カスタマの満足度に直結するサービスレベル管理及びSLA(Service Level Agreement)について検討の方向性を示す.

 

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