空間多重化としてのOAM伝送
Vol.100 No.8pp.854-858
発行日:2017/08/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:解説
専門分野:
キーワード:
電磁波の角運動量, モード多重化, ラゲール・ガウス波, 近軸近似, MIMO, OAM,
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あらまし:
5Gのバックホール無線回線などの高速伝送技術として近年注目を集めているOAM(Orbital Angular Momentum)伝送技術の概要を紹介する.
まず電磁波の運動量や角運動量について述べ,次に今まで無線通信の手段としては全く利用されてこなかった電磁波の公転(軌道)角運動量というものを,自転角運動量に相当する円偏波との対比で説明する.そしてこれがモード多重という情報伝送の新たな自由度となり得ることを明らかにする.更に電磁波の公転角運動量をどのように実現するのか,その限界がどこにあるのか,また従来の送受信アンテナ設計とどこが異なるのかを述べる.なお,最近のOAM伝送技術の動向を紹介し,多重モード光ファイバとの関連性から導波路構造の役割を再確認する.