誤りを許容する回路とシステム
Vol.102 No.10pp.963-967
発行日:2019/10/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:解説
専門分野:
キーワード:
回路とシステム, 設計, 実現, 実装, 誤り,
本文:PDF(642.8KB)>>
あらまし:
回路とシステムの開発においては,要求される性能がますます高度になっている一方で,回路面積や消費電力といった実装面での制約が従来よりも一層厳しくなっている.この問題を解決するため,近年では,システムの設計から実装までの各手順に要求される様々な技術において,従来の手法に対して若干の「誤り」を許容して手順を簡素化し,これによって実装コスト・回路規模・処理速度等の性能指標を大幅に改善した研究が数多く報告され,様々な分野で注目を集めている.この研究テーマについて広く議論することを目的として,本会の回路とシステム研究会では,2017年9月の本会ソサイエティ大会にて「誤りを許容する演算方式に基づく回路とシステム」のシンポジウムセッションを開催した.本稿ではこのシンポジウムセッションの内容に基づいて,誤りを許容する回路とシステムに関する近年の研究動向を総括する.また,本研究テーマの特徴及び今後の課題を,主として筆者の専門分野である信号処理の観点から述べる.