あらまし

機械学習を用いた二次元フォトニック結晶共振器の構造最適化

浅野 卓 野田 進 

Vol.105 No.4pp.306-313

発行日:2022/04/01

Online ISSN:2188-2355

Print ISSN:0913-5693

種別:解説

専門分野:

キーワード:
フォトニック結晶共振器機械学習構造最適化

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あらまし:
二次元フォトニック結晶スラブ(薄板)を用いたナノ共振器は,波長程度の微小領域への長時間の光閉込めが可能という特長を持ち,光と物質の相互作用の増強,光情報の保持,保持した光の動的制御等の高度な光操作に利用できる.このような二次元フォトニック結晶共振器は多数の空気孔から構成されているため非常に高い構造自由度を持つが,その自由度の高さゆえに十分な設計を行うことは困難であった.これに対して我々は,ランダムに構造パラメータを変えて生成した複数のサンプル構造とその性能指数(Q値等)から成る学習データを用意して,これを学習させることで構造から性能指数を近似的に予測できる機械学習モデルを構築し,そのモデルの予測値を用いて構造探索を行う手法を提案した.これにより,これまでにない高い性能の共振器を設計することに成功し,また複数の性能指数の同時最適化にも成功した.更に,この探索手法で見つかった候補構造とその性能指数の第一原理計算結果を学習用データに加えて機械学習モデルを更新し,その更新されたモデルを使って更なる候補構造を探索することを繰り返す手法を提案した.これにより広いパラメータ空間において構造探索を行うことが可能になり,所望の性能を得るために初期構造と大きく異なる構造が必要な場合でも最適化を行うことが可能になった.本稿ではこれらの最適化手法について,実証実験の結果も示しつつ解説する.

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