同種写像暗号入門
Vol.106 No.11pp.1004-1009
発行日:2023/11/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:特集 耐量子計算機暗号の最新動向
専門分野:
キーワード:
同種写像暗号,
本文:PDF(681.1KB)>>
あらまし:
同種写像暗号は,耐量子計算機暗号の候補の一つであり,他の候補と比べて短い鍵長,暗号文長を持つことから注目されている.2022年にNISTによる耐量子計算機暗号の標準方式候補であったSIKEに対する鍵復元攻撃が報告されたが,SIKEとは異なる数学的構造を基礎とする方式が幾つかあり,それらは依然として安全であると考えられている.特に2020年に提案された署名方式SQISignは非常に短い鍵長,署名長を持つことから有望視されている.一方で,同種写像暗号は他の耐量子計算機暗号の候補と比べて暗号処理に時間がかかるという欠点があり,研究課題となっている.本稿では,同種写像暗号の基礎と幾つかの方式について解説を行ったのち,本分野の研究課題について述べる.