あらまし

ハイパデモクラシーを目指して――AIに基づくWeb議論支援システムとその社会実装――

伊藤 孝行 松尾 徳朗 大沼 進 白松 俊 

Vol.106 No.3pp.230-237

発行日:2023/03/01

Online ISSN:2188-2355

Print ISSN:0913-5693

種別:解説

専門分野:

キーワード:
ハイパデモクラシーエージェント合意形成熟議民主主義

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あらまし:
本稿では,ソフトウェアエージェントと人間が一緒に参加するソーシャルネットワークでの民主主義(ハイパデモクラシー)のための合意形成プラットホームを解説する.AI,スマホ,インターネットなどの急激な発展とCOVID-19による急激な環境の変化により,新しい社会システムの実現が一層現実味を帯びている.具体的には,民主主義の基盤としてのソーシャルネットワークの中に,複数のエージェントを常駐させ,人間の代理として働き,意思決定やインタラクションを仲介し,より良い合意形成や集団意思決定を支援する.特に,意見や好みを収集しながら,各参加者の感情にも寄り添った代理行動を行い,人間の主体的かつ納得感のある合意を効率良く得られるように支援する.すなわち,人間の主体感・納得感を醸造する寄り添う合意形成とエージェントの超効率的・超合理的な合意形成とのトレードオフを解決する.SNSでは,炎上,フェイクニュース,集団分極化,ゲリマンダリングなどの社会的諸問題が指摘されているが,エージェントが人間と協調しながら諸問題を解決する.

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