物理の近接作用に学ぶ──拡散現象を指導原理とした自律分散型フロー制御技術──
Vol.91 No.10pp.875-880
発行日:2008/10/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:小特集 情報通信ネットワークの設計・制御理論の新潮流──異分野からのアプローチ──
専門分野:
キーワード:
自律分散制御, 拡散方程式, トラヒック制御, 偏微分方程式,
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あらまし:
物理システムの中には,システム状態の時間発展が偏微分方程式の形で表現できるものがある.これは,ある場所での時間的な状態変化が近隣の状態のみによって左右されるものであり,遠方の状態から直接的な影響を受けるわけではない,という「近接作用」の考え方を反映したものである.近接作用に基づく物理システムが秩序ある世界を作り出すような状況は,偏微分方程式が大域的に秩序ある解を持つことに対応する.この状況を工学的な自律分散制御の立場で見ると,局所的な情報のみに基づいた部分システムの自律動作によって,結果的にシステム全体の状態に秩序を生み出すように動作していることになり,このような動作特性を持つ自律分散制御の実現が期待できる.本稿では,近接作用である拡散現象から着想を得た自律分散型のフロー制御技術について解説する.