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ISPへのNAT導入によるユーザ影響評価
Vol.93 No.6pp.473-478
発行日:2010/06/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:解説
専門分野:
キーワード:
IPv4アドレス枯渇, ラージスケールNAT, NAT越え, トラヒック解析,
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あらまし:
IPv4アドレス枯渇対策の一つとして,ISPのネットワークにNAT装置を導入することで,一つのIPv4アドレスを不特定な複数のユーザで共有する方法が検討されている.ISPに適用されるNAT装置は大規模なものになるため,このようなNAT装置はラージスケールNAT(LSN: Large Scale NAT)と呼ばれている.しかし,LSN環境下では,特定のアプリケーションが使えなくなるなど,エンドユーザに少なからず影響が出ると考えられている.本稿では,LSNの導入形態について最初に説明する.次に,LSN導入時のユーザへの影響,及び影響低減のために既存のNAT越え手法のLSN環境における有効性について考察した結果を述べる.最後に,実際の大手ISPにおけるトラヒック解析結果に基づき,LSN環境下でセッション制限が行われた場合のユーザに対する影響について評価した結果を紹介する.