超多重検定の最新動向
Vol.93 No.9pp.803-808
発行日:2010/09/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:解説
専門分野:
キーワード:
統計的バイオインフォマティクス, 高次元データ, 検出力, 検定間相関,
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あらまし:
統計的仮説検定は,雑音を含む有限のデータに基づく科学的発見の信頼性を保証するために,あらゆる分野で使われてきた枯れた技術である.しかし近年,バイオインフォマティクス,脳科学など多くの分野で取り扱われ始めた高次元システムを対象とする問題では,検定多重性への対処や,検定多重性の利用に関する新しいアイデアが今もなお生まれ続けている.本稿では経験ベイズ検定に基づく統計的バイオインフォマティクスを典型例にとり,多重性の高い状況を目の前にした読者がどのように考えればよいかを議論し,最近の研究が対象にしている多重検定ならではの手法やその性質を紹介する.