完全準同形暗号の構成方法
Vol.99 No.12pp.1159-1166
発行日:2016/12/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:小特集 完全準同形暗号の研究動向
専門分野:
キーワード:
完全準同形暗号, ブートストラップ, 格子ベース暗号, 近似最大公約数問題,
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あらまし:
完全準同形暗号(FHE)とは,暗号化したままデータの処理を可能にする暗号技術であり,概念として40年ほど前に提案されたが長い間実現方法が見つからなかった.しかし2009年にスタンフォード大学のGentryが初めて構成法を考案し大躍進を果たした.本稿では,Gentryの2009年の論文と後続研究における構成方法の主なアイデアを紹介する.特に次の3点に焦点を絞る.まずは低次数関数の準同形評価に対応する,いわゆるSomewhat準同形暗号(SHE)方式の構成について述べる.次にGentryの提案したSHEからFHEへの変換手法・ブートストラップの説明を行う.そして最後に,ブートストラップよりコストの低いモジュラス切換手法について紹介する.