アンテナシステム――将来の信号処理アンテナについて――
Vol.99 No.8pp.838-845
発行日:2016/08/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:小特集 アンテナ・伝搬の研究開発のこれまでの50年とこれからの50年
専門分野:
キーワード:
アダプティブアンテナ, MIMO, Massive MIMO, アナログ制御, ディジタル信号処理, 原点回帰,
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あらまし:
本稿では,将来の信号処理アンテナ,すなわちアダプティブアンテナやMIMOシステムの50年先について,無線通信システムをターゲットとした場合に筆者が考える将来展望について解説する.現在,信号処理アンテナはWi-FiやLTEにMIMO伝送として実用化され,既に無線通信の分野で高速伝送を実現する上で必須技術となっている.一方で,アダプティブアンテナに関しては,その概念が1950~1960年代から提案されたものの,移動通信用途ではほとんど導入されなかった.本稿では,信号処理アンテナの代表であるアダプティブアンテナとMIMOシステムを例にとり,両者の技術の進化と研究開発における経緯を振り返る.次に過去に培われた技術が5Gシステム等の将来システムの核となるMassive MIMOで非常に重要となっている点に着目し,将来の信号処理アンテナに関する展望について述べる.