2.6 図面の[提示順序]の《一貫性の保持》

 この項目は,大層重要なので,例を挙げて説明しよう(図4).

 一般に,人間は《最初に与えられた情報》を,そのまま保持しようとする傾向がある.

 例えば[ある装置]の構造を説明する場合に,最初に[その全体像]を示し,次に[その一部の拡大図]を示す方法を採ると分かりやすくなるが,このときの[拡大図]は,[元の図面]の,その部分を《それと同じ方向から拡大して見た図形》にすべきである.

 ところが,〔図面の作成者〕は,その内容を熟知しているので,それが災いしてか,別の方向から見た拡大図を描いても〔その方がかえって分かりやすいのでは…〕と思い込みがちなので注意して頂きたい.

 例えば,図4に示す例では[P]よりも,そのまま拡大した[Q]の方が,内容が間違いなく伝達される.

図4 拡大図を描く際の[気配り]

図4 拡大図を描く際の[気配り]


 2.7 [グラフ]の表示方法上の注意(図5)


 【グラフの表示方法】には,一般に次の欠点が多い.

 目盛の文字が小さすぎる.
 線の太さが細すぎる.
 縦軸・横軸の単位や数値の記入漏れが多い.
 数値の位置を示す〔○〕や〔□〕の表示が無い.

 図5の[比較提示]を見れば,直ちに(a)が悪く,(b)が次で,(c)が良いことが明らかであろう.

図5 グラフの表現の仕方と,その比較

図5 グラフの表現の仕方と,その比較



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