アクセス市場における事業形態として,最近脚光を浴びているのがローカルループアンバンドルである.従来,通信サービスを提供する事業者は自身で必要となる通信設備を保有することが前提になっていた.しかし,自身は線路設備を保有しないで,通信事業者から設備の利用権を得てIP通信を提供するサービス提供事業者が出現してきた.このように通信事業者の保有するアクセス設備をすべて,もしくは一部を他事業者に開放することをローカルループアンバンドルと呼ぶ.ローカルループアンバンドルの対ケーブルに,DSL技術を適用したIP通信サービス事業が,その具体例である.対ケーブルのローカルループアンバンドルには,図2に示すように,ドライカッパー,ラインシェアリング,ビットストリームの3種類がある.ドライカッパーは対ケーブルそのものを開放する形態である.サービス提供事業者にとって最も自由度の大きい方法であるが,サービス提供事業者が負担する設備コストは最も大きくなる.ラインシェアリングは,対ケーブル上の一定の周波数領域を開放する形態である.ドライカッパーに比較して自由度は小さくなるが,電話サービスとIP通信サービスでペア線を共用するため,サービス提供事業者の負担は小さくなる.ビットストリームは文字どおりディジタル伝送能力が開放される方式である. |
このように,アクセス系の技術の多様化と,ローカルループアンバンドルによって,アクセス市場でのサービスと技術の競争が一層進展してゆくと思われる.
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