錯視から分かる脳の情報処理
Vol.91 No.9pp.809-815
発行日:2008/09/01
Online ISSN:2188-2355
Print ISSN:0913-5693
種別:解説
専門分野:
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あらまし:
最近は認知脳科学ブームといわれ,私たちの脳が行う情報処理の解明に関して一般的興味が高まっているようだ.中でも脳の視覚情報処理系がある意味でだまされて不思議な見え方をする「錯視」という心理現象は,出版・放送メディアなどでよく扱われる.本稿では,有名な錯視現象である「明るさの対比」「知覚的フィリングイン」「運動残効」を取り上げ,それぞれどのような現象かを紹介し,考えられる脳内メカニズムの説明をする.錯視という現象が脳の実証的研究にとってなぜどのように重要かを強調し,古典から現在までの研究知見の幾つかを紹介する.